FC2ブログ
元外為ブローカーの税理士への道のり
ロックバンド、外為、FP、そして税理士へ・・・そんなオヤジのあれこれです。
11 | 2013/12 | 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

年末に思うこと
 今年も残り3日となりました。皆様にとってどんな年だったでしょうか。いろいろなことがあった1年ですが、景気の面からみると明るくなってきていることは間違いないでしょう。

 ここ数日の新聞の見出しも、「消費者物価伸び率1.2%(5年ぶり)」、「求人倍率1倍台乗せ(6年ぶり)」、「ゴルフ会員権の取引価格上昇(7年ぶり)」といったように、リーマンショック後の停滞期からの回復を示している「~年ぶり」という言葉をたくさん見ます。株式相場は、日経平均が2013年1月4日の大発会の始値が10604.50で、12月27日の終値が16178.94円ですから、52%の上昇です。NYダウ平均は今年の上昇率が26%で、こちらは史上最高値を更新しています。

 来年はどんな年になるのでしょう。4月には消費税率の引上げが実施されますが、言われているほどの影響は出ないのではないかと思っています。期待感が徐々にではありますが、大きくなっていると感じられるからです。

 本年は今日のブログで最後とします。お付き合い頂きありがとうございます。
 来年もよろしくお願い致します。

スポンサーサイト
相続税の基礎控除額 <その3 ~ 基礎控除額の歴史>
 昨日と一昨日のお話しで27年1月1日から適用になる相続税法の改正の基礎控除部分の内容について、ご理解頂けたと思います。相続税がかからなかったのにかかるようになる人が出てくるのですから、増税か、消費税率も上がるし、けしからん、と感じられた方もいらっしゃるでしょう。

 お怒りを少しでも鎮めるためというわけではありませんが、この相続税の基礎控除額の歴史をさかのぼってみましょう。と言いますのも、基礎控除額は、すっと5000万円+1000万円×法定相続人の数だったのではないのです。

控除額の変遷は以下の通りです。
昭和63年12月の改正前 2000万円+400万円×法定相続人の数(3200万円)
昭和63年の改正 4000万円+800万円×法定相続人の数(6400万円)
平成4年の改正  4800万円+950万円×法定相続人の数(7650万円)
平成6年の改正  5000万円+1000万円×法定相続人の数(8000万円)
*カッコ内は法定相続人が3人とした場合の基礎控除額。

 この変遷からお分かり頂けるように、25年前までは3200万円だったのです。その後控除額が大きくなっていった主な理由は、バブル期の土地の上昇に対処するためです。平成に入ってから物価は下落傾向にあり、土地の価格も一部を除いて同様の傾向があります。つまり土地の価格が上昇したのに合わせて基礎控除額を増額し、その土地の価格が下落してきたので、今度はその増額した基礎控除額を減額しようということでしょう。平成27年以降は法定相続人3人の場合の基礎控除額は4800万円ですから、昭和63年12月改正前よりはまだ大きいです。
 もう一点、課税割合(死亡者数に対してどのくらいの割合で相続税が発生しているかの割合)を見てみましょう。
昭和58年(5.3%)→昭和62年(7.9%)→平成3年(6.8%)→平成5年(6.0%)
→平成14年(4.5%)→平成23年(4.1%)
というように直近の30年を見てみると今がもっと低くなっています。この率が低いということは、相続税の納税をしている件数が少ないということです。

こういう視点から改正を見ると、25年くらい前に戻すため、という理由が見えてきます。こう考えるとあながち無茶な改正だとも言えなくなってくるかもしれません。

相続税の基礎控除額 <その2 ~ 計算してみましょう>
相続税の計算は以下のような流れで行います。
①正味の遺産額の計算    土地・建物や預金等の財産から借入金や未払金等の債務を
                   引いたものが正味の遺産額になります。
②課税遺産総額の計算    正味の遺産額から基礎控除額を引いたものが課税遺産額
                   になります。
                   基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
③法定相続分で案分      相続税の計算は、いったん法定相続分で分割したものと
                   仮定して相続税の総額を計算します。
④相続税の総額の計算    税率表(速算表)からそれぞれの税額を計算します。
⑤各人の相続税の計算    相続税額の総額を実際に分けた額で案分します。
  
 今回お話をしている基礎控除額は、②の課税資産総額の計算に出てきます。①の正味の遺産額の計算からこの基礎控除額を差し引いた後の金額が相続税を計算する基礎となります。平成27年1月1日から適用になる改正は、この基礎控除額が小さくなるのですから、小さくなった分課税遺産総額(税金の基礎になる金額)が大きくなるわけです。

 具体例で見てみましょう。A(夫)さんの家族構成は夫婦に子供が2人です。Aさんが今亡くなったとします。この場合の基礎控除額は、5000万円+1000万円×3人=8000万円 です。このAさんの正味の財産が8000万円だとすると、課税遺産総額は8000万円-8000万円=0で相続税はかからないということになります。
同じ設定で今度はAさんが平成27年1月2日に亡くなったとします。新しい法律が適用されますので、この場合の基礎控除額は3000万円+600万円×3人=4800万円となり、課税遺産総額は8000万円-4800万円=3200万円となり、この3200万円に相続税がかかってきます。そして、Aさん家族の課税遺産総額3200万円に課せられる相続税は奥さんと子供2人の合計で350万円になります(配偶者の税額の軽減を使えばこれよりは小さくなります)。

 つまり、改正前なら正味の遺産額が8000万円までなら相続税がかかりませんが、改正後はそれが4800万円までということになります。正味の遺産額が同じ8000万円でも、改正前なら相続税は0円、改正後は350万円ということになるわけです。<続く>

相続税の基礎控除額 <その1 ~ 他人事ではなくなるの?>
 平成27年1月1日から平成25年度改正の相続税の適用が始まります。この改正がどの程度の影響を与えるのか気になっている方も多いようです。相続関連のセミナーをしていても、参加者の興味はそのあたりにあるようで、課税の対象になるのかならないのかといった質問をよく受けます。

 平成24年中(平成24年1月1日~12月31日)に死亡した被相続人の数は125万6359人で、相続税の申告書(相続税額があるもの)の提出にかかる被相続人の数が5万2394人となっています。課税割合は4.17%です。死亡数100人当たり約4人が相続税額がある申告書を提出していることになります。100人のうち96人の相続について相続税は支払っていないということになります。ほとんどの方が相続税とは関係ないとも言えます。

 これは、基礎控除という制度によるものです。亡くなった方が残した相続財産から基礎控除という一定額を控除することができ、この控除によって課税価格が0になっているからなのです。

 ところが、この基礎控除額が平成27年1月1日から引き下げられます。基礎控除が引き下げられると、課税価格は大きくなります。すなわち、税金がかかる人が増える、税金の額が増える、ということになります。このことが相続税の大増税などと言われている理由です。この改正によって、課税割合が、100人当たり4人からその倍の8人くらいに増えるとの予想もあります。首都圏は土地の価格が高いので10人位になるのではと言っている方もいます。

 今まで縁の無かった相続税、改正後は納税者になってしまうのか、その場合にはどの程度の税金が課せられるのか、そのあたりは明日にお話しましょう。

X day
 外国為替のセミナーで、この先の相場はどうなると思いますか、という質問を受けることが良くあります。質問する方は、私が相場を読めるなどと期待してはいらっしゃらないと思います。

 「X day」、起こる可能性が極めて高いと思われているが、いつ起こるか分からないある重大な事件・事象が起きる日のことをこう呼ぶことがあります。もともとは軍事用語だったようです。横文字で書かれているますが、私が使っている分厚い英英辞典には載っていません。未知数、未知のという意味を持つ「X」と「day」を組み合わせた造語でしょう。

 相場の世界でも時々この言葉を使うことがあります。先日のFRB議長から発表されました金融緩和縮小も、この日までは何時か何時かと様々な憶測を呼んでいたわけですから、そういう意味では一種の「X day」だったのかもしれません。
 いつ起こるか分からないから、知りたい。特に相場の世界ではこの「X」が相場を大きく動かすことになりますから、それが何時かが分かれば大儲けができることになります。そうなると尚更知りたくなります。

 さて、今多くの人がこの「X day」が何時かを知ったとします。そうすると相場はその方向へものすごいスピードで動いていくことになるでしょう。今。104円前後で取引されているドル円相場ですが、例えば、今週の金曜日27日の12時に120円になっているということが分かったとします。ドル円相場は、27日にかけてゆっくりドル買いが進むのではなく、このことが分かった瞬間に119円99銭まで一気にドル買いが進むでしょう。

 つまり、「X」は不確実である間だけ「X」であるのであって、それが明らかになった時点で、「X」でなくなるだけでなく、明らかになった瞬間が即「X day」になってしまうのです。相場とは、先行きが分からないから売る人と買う人が出てきて取引が成り立つのです。相場に確実性がもたらされたら、それはもう相場にはならなくなってしまうのです。
カレンダーに見る景気回復の兆候
 今年も残りわずか、顧問先へ今年最後の訪問もひと段落してきました。会社へお伺いして社長様や経理担当者といろいろお話をするのですが、話題の中心はアベノミクスによる景気回復についてです。「景気は回復していますか」、「来年の経済状況はどうなっているのでしょう」など、中小企業では大企業ほど回復基調を実感できていないようです。

 先ほど事務所のカレンダーをかけ替えようとして、今年は取引業者から頂戴したカレンダーが多いことに気が付きました。ここ数年作成を見合わせていた会社が今年は作成したり、頂ける部数が多くなった取引先もあります。

 カレンダーは広告宣伝費の中でも大きな金額となりますので、景気の影響を受けやすのではないかと思っています。カレンダー業界の取扱量の推移などの数値は持ち合わせていませんが、企業のマインドは上向いていることは間違いないだろうと、頂いたカレンダーの数を見て、そう感じました。

今年最後のお祭り
 意外といえば意外、やっぱりといえばやっぱり、一昨日のFRBの量的緩和縮小の決定です。バーナンキFRB議長の最後のFOMCで自身が始めた量的緩和について、ある意味で最低限のけじめをつけた形とも言えます。縮小と言えば縮小ですが、850億ドルのうちの100億ドル。あと750億ドル、まだまだ先はあります。

 やるのかやらないのか、何かにつけて市場関係者がやきもきし、期待をし、はぐらかされてきたこの数か月、かなり疲れが見えてきていましたので、さすがに一定のけじめをつける必要があったのでしょう。かといって、大胆な決定をするには景気回復は不十分。そこで、とりあえずの100億ドル。残りは、長い目で見ていきましょう、と。なるほど、あちらにもこちらにもそれなりの筋を通し、そして何よりも自身が始めた政策に対して一応の方向転換を示して任期満了、見事な引き際と言えるでしょう。

 ようやくしっかりした回復が見えてきているアメリカ経済をもう一段引上げながら、市場の放出したマネーを引上げなければなりません。長期金利の上昇も抑えなければなりません。来年バトンを受けるイエレン氏、方向性はバーナンキ議長と同じと言われていますが、難しいかじ取りです。

相場を動かす要因
 今日、ファイナンシャル・プランナーの勉強会で外国為替に関する講義の講師をしました。テーマは「相場を動かす要因」です。前回別のところでこのテーマでお話をした時のレジュメに手を加えて今日のレジュメを作成したのですが、ほんの数か月で話す内容が少し変わってきているなと感じました。

 相場を動かす要因意を、経済的要因、政治的要因、自然的要因に大きく分類をして、例えば、経済的要因ですと、雇用統計、GDP、貿易収支、住宅着工など景気を示す指標がそのカテゴリーに入ってきます。経済状況を踏まえた金融政策も重要な要因になります。ここ数か月市場をにぎわせてきているFOMCの金融緩和の出口政策もその一つです。

 市場を動かす要因には様々なことがありますが、何がどうあれ市場を動かしているのは人間そのものであるということが最も重要ではないかと思います。チャートがどういうシグナルを示していようが、景気関連の指標がどのような数字を示していようが、それを解釈して行動しているのは人間そのものなのだということ、すなわち、心理がカギなのではないかと改めて感じました。


FRB金融緩和縮小を決定!
 FOMCは昨日の委員会終了後の会見で、来年1月から量的緩和を縮小することを決定しました。アメリカ国債の買入れを50億ドル、住宅ローン担保債権の買入れを50億ドル、合計で100億ドル分減額するというものです。Federal Fund Rate(FF金利) は変更なしです。

 バーナンキ議長の「FF金利誘導目標を0~0.25%に据え置く」、「少なくとも失業率が6.5%を上回り、今後1~2年の間にインフレ率が2.5%を上回らないと予想している限りFF金利の誘導目標は0~0.25%を維持する」という発言に続いて、「景気は回復を続けているが、完全ではない」、「回復にはまだ遠い」、「しばらくの間、インフレ率は2%を下回るだろう」などのようにハト派的な発言もあり、発表直後の外国為替市場は、一瞬乱高下がありましたが、その後の株式市場の順調な上げもありドル買いに傾き、早朝には5年2か月ぶりの104円台にのせました。

 今日の動きの中で最も好感できる点は、金融緩和縮小の決定が発表されたにもかかわらず、株式市場が大きく値を上げたことです。「緩和マネーが引き上げられる→下落」というネガティヴな発想ではなく、回復基調を好感するというポジティヴな動きが見られたことは、株式が経済を反映するという健全な動きだと思います。

 緩和政策を縮小したといってもまだ750億ドル分の買入れはあります。縮小の第一歩といったところでしょう。今後の回復に期待を込めて注視していきたいと思います。

 
歳出について
 先日は歳入のお話をしましたので、今日は歳入について書いてみたいと思います。来年度の一般会計の歳出は今年度より4%程度増えて96兆円前後になる見込みです。増加額が4%程度といっても元の額が大きいですから、3兆数千億円の増加額です。

 歳出の中で最も大きいのが社会保障関係費です。私たちの健康や生活を守るための費用で医療や年金にかかるお金です。これが大体30兆円くらいです。次に大きいのが国債費です。国債の元本を返済したり利息を支払うための費用です。これが22兆円くらいです。この2つで歳出全体の55%くらいを占めています。3番目に大きなものは地方交付税交付金等です。普段は地方交付税と呼ばれていますが、地方公共団体(道府県、市町村)の財政を調整するための費用です。これが16兆円くらいです。上位3つで75%位になってしまいます。

 残りの部分で、公共事業、防衛費、文教及び科学振興費をまかなっています。全体としては大きな金額ですが、自由に使えそうな部分は意外と小さい感じがします。

今年最後のFOMC
 17日、18日の2日間で今年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれます。市場関係者の興味は、量的緩和策の縮小を決定するか否かににあります。大方の予想は来年の1月か3月で、遅くとも6月には縮小が決定されるとされています。12月の決定の可能性は低いと見られていますが、FRBが最も注目しているアメリカの労働環境は相当に改善していますし、さらに他の経済指標もアメリカの景気回復を示しており、ここ数か月の指標をみると、今回のFOMCでの可能性も否定できなくなっているのです。

 連邦公開市場委員会の中には、早期の緩和縮小の立場をとっているメンバーもいます。ダラス地区連銀のフィッシャー総裁もその1人で、先週、資産買い入れプログラムの規模縮小開始を決定し、同プログラムの終了に向け明確な道筋を示す必要があるとの考えを示しています。これまで緩和縮小に反対の立場をとっていたセントルイス地区連銀のブラード総裁も「小規模な縮小開始」の考えを示しました。

 資産の買い入れ縮小について議論・検討されることは間違いありませんが、どのような結論が出されるのでしょうか。数か月前まであった「金融緩和縮小→緩和マネーの引上げ→株式市場の下落」というネガティヴな発想はかなり薄れてきているようですから、仮に大方の予想に反して、今回のFOMCで縮小が決定されたとしても、マーケットは好意的に受け取るのではないかと思っています。

なぜ借金が増えていくのか
 雪だるま式に増える国債残高、何とも行く末が恐ろしい感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。国債(借金)残高が増えているということは、国債をその満期の都度しっかりと返していないということですね。

 では、どうしてこんなことが起こり続けているのでしょうか。国の予算を決めるのは国会です。国会は国会議員で構成されています。この国会議員は選挙で選ばれます。その投票権は私たち国民が持っています。つまり、私たち国民が選んだ国会議員が予算を決めているのです。何をいまさら、と思われるかもしれませんが、ここが重要なポイントなのです。

 国会議員は当選できるように、選挙民(すなわち私たち国民ですが)にとって喜びそうな政策を提示します。自分にとって嫌な政策をする人に一票は入れないでしょうから。さて、この喜びそうな政策と嫌な政策、って何でしょう。一言でいうと、お金をくれる政策がうれしい政策で、お金を取られる政策が嫌な政策でとなるのではないでしょうか。増税より経済対策ですよね。これを国のお財布の立場から見れば、お財布からお金が出ていく政策は国民に喜ばれ、お金が入ってくる政策は国民に喜ばれないのです。国の政策を決める国会議員は国民によって選ばれるのですから、結局は、お金が出る政策が多くなってくるわけです。

 国債が増えていくとこの国は危なくなる、と多くの国民は思っていますが、なぜか増税を第一のスローガンに掲げるような国会議員は出てこないのです。

 この国債残高、一体誰が返済するのでしょう。重荷を背負った子や孫の姿が浮かんできます。

国債発行総額が過去最高額へ
 一般会計の歳入の主な柱は税収と国債です。平成25年の予算(平成25年5月15日成立)を例にすると、一般会計の歳入総額が92兆6115億円で、そのうち税金関係が43兆円、国債の発行によるものが42兆8500億円でこの2つで全体の93%程度になります。ざっくり言って、収入の半分は税金、もう半分は借金ということですね。

 この国債ですが、償還期間(借金の期間)には、2年、5年、10年、20年、30年、40年などがあります。利払いは半年ごとで年2回あり、満期が来たら額面金額が支払われます。したがって、平成25年度の例でいえば、42兆8500億円の借入額は、それぞれの償還期間が満期となったら、全て返済しているだろうと推測できます。つまり、この42兆8500億円が全て償還期間10年だとすると、10年後にはこの額面金額が返済されるはずですが、実際はそうではありません。国債には最初に発行してから60年後に全額を償還するというルールがあるからです。

 平成25年度に発行した42兆8500億円の国債(ここでは分かりやすくするために、全て償還期間10年だと仮定します)は、10年後の平成35年に満期を迎えます。この時には全額返済するために42兆8500億円が必要になります。ここで先ほどの60年償還ルールが出てきます。60年で全額を返済すれば良いのですから、最初の10年は60年割る10年で全体の1/6、つまり実質的に返済するのは約7兆円で、これを除いた35兆円は借換え(再借金)をするのです。

 こういうことをしているとどういうことが起こるかといいますと、その年度の歳入のために国債を発行し、加えて過去に発行した国債が償還を迎え、その借換えのためにも国債を発行する、といったように、「雪だるま式」に国債の発行額が増えていくことになるわけです。そして、来年度の国債発行総額が180兆円程度になるとのことです。

国の借金が1000兆円を超え、その下では雪だるまが毎年毎年少しずつ大きくなっているのです。雪だるまを作ったことがある方はお分かりだと思いますが、「雪の球」は、小さい時は雪の量も少なくて済みますが、大きくなった時はそれに合わせて、たくさんの雪が必要になってきます。大きくなればなるほど、・・・。

 雪のことを考えていたら、背筋が寒くなってきました。

地方分権と税収の格差是正策
 「地方分権」とは、できるだけ多くの権限を地方に移譲し、地方自治体に責任と権限を持たせることを言います。「中央集権」に対比する考え方です。法的には、憲法第92条から95条の地方自治にその考えが謳われています。中央、すなわち国として行うこと、地方が行うことを効率的に分担し、それぞれの役割に責任を持つことになります。地方自治体は地域住民の身近な存在として、住民により近い行政を行うことがその責務となります。

 ところで、この地方自治を円滑に行うために最も重要なことは、その行政に必要な歳入を確保するということです。すなわち、十分かつ安定的な税収が担保されなければならないのです。しかし、国より都道府県、都道府県より市区町村というように、その自治体の規模が小さくなればなるほど、税収にばらつきが出てきてしまいます。そのばらつきが行政のレベルに直結してしまいますから、それを均すために、例えば地方交付税のように、国税の一部を地方自治体に配分して、税収不足による行政サービスの質や量の低下を防ぐ制度があるのです。
 
 この地方交付税は、国という最も大きな単位からその下に位置する地方自治体へ配分するわけですから、親が子供たち間の不均衡を少なくするためにお小遣を調整するようなものでしょうか。これなら理解できるような気がします。一方、地方自治体どうしで調整する地方税の再配分の制度はどうでしょう。兄弟の中で余裕のある人が余裕のない人へお金を恵むような制度ですから、違和感を感じる方もいると思います。

 この部分が税制大綱で議論されていましたが、どうやら、根本的な問題点を解決するような内容とはならなかったようです。

軽減税率終了を前にした個人投資家の益出し<その3:まとめ>
 昨日の例で増税前の利益確定売りが必ずしも効果的でないことをお話しました。さらにこの利益確定売りが海外投資家の絶好の買い機会になってしまったわけで、自国の税制の影響で海外勢へ儲けのチャンスを与えることになりかねないとは何とも皮肉な感じがします。

 昨日の<ケース1>の場合でいいますと、80万円の売却益に対して10%の8万円(復興税を除く)の税金がかかっていました。これが来年以降売却すると20%16万円の税金となります。さて、この差額の8万円は20%の税金を考慮すると100円の値上がり(1000株×100円×0.8)で回収できます。

 出遅れ感があり他の市場と比べて割安を見られていた日本株市場には、もともと海外投資家の強い買い意欲があったようですから、個人投資家の利益確定売りがなくても買いにきただろうと思われます。もし11月単月での2兆円余りの売越しが無かったとして、海外投資家が2兆円超の買越しをしたとしたら、株価はもう少し高い水準になっていたかもしれません。とすると、そのまま持ち続けていても本則の20%でも十分に対抗できる株価になっていたのかもしれないと思われます。もちろん、将来の相場のことは誰にもわかりません。今後下落をして、このタイミングで売却して良かったということもあるかもしれません。しかし、個人の金融資産を株式市場へ向けようと「貯蓄から投資へ」を謳っているのであれば、まず国内の個人投資家が十分な恩恵を受けることが第一でしょう。

 今回の流れは、相場感というよりは制度が良いように利用されてしまったようで、そこが少々残念な感じがします。

軽減税率終了を前にした個人投資家の益出し<その2>
日経平均に連動した設定で、
 2009年12月に1株800円の株式を1000株購入、
 2013年12月11日の株価が1600円、
 2015年12月の株価を2000円とします。

<ケース1> 2013年12月11日にいったん売却して利益を確定し同額で1000株を買い戻し、2015年に2000円で売却した場合
・2013年12月11日の税金の計算
  売却益 (1600-800)×1000株=800,000円
  税金   800,000×10%=80,000
・2015年12月の売却時の税金の計算
  売却益 (2000-1600)×1000株=400,000円
  税金   400,000×20%=80,000
・税金の合計 80,000+80,000=160,000円

<ケース2> 2015年まで保有し2000円で売却した場合
・2015年12月の売却時の税金の計算
  売却益 (2000-800)×1000株=1,200,000円
  税金   1,200,000×20%=240,000

 <ケース1>と<ケース2>の比較では、税額が80,000円<ケース2>の方が多くなります。つまり、年内にいったん売却して益出しをして、買い戻す方法が有利だということが分かります。

 しかし、<ケース1>は、買い戻しの際に同数の株を購入するために、その時に発生した税額80,000円を投入しています。税引き後の金額のみで買い戻しをすると、1,600,000(売却額)-80,000(税金)の1,520,000円が買い戻しの資金となり、950株しか購入できません。このことを考慮に入れて<ケース1>の2015年12月の売却時の税金の計算をすると、
・2015年12月の売却時の税金の計算
  売却益 (2000-1600)×950株=380,000円
  税金   380,000×20%=76,000
となり、税金の合計額は80,000+76,000=156,000です。

 さて、ここまでの話はあくまでも税金の額のお話しでした。投資とは、投資した額(この例では800,000円)が税金・経費等を差し引いた後いくら残ったが肝心な点です。つまり、税金・手数料などの経費を控除した後の手取り額ということです。ここでは税金のみを控除して比較してみます。 
 <ケース1>の手取り 1,900,000-156,000=1,744,000
 <ケース2>の手取り 2,000,000-240,000=1,760,000
というように手取り額では、逆転してしまうのです。<ケース1>では、2013年の売却時に売却収入から税金を支払っているため、買い戻す株数が950株となり、<ケース2>と比べてその後の値上がり益(2,000-1,600)を50株分享受できなかったからなのです。さらに<ケース1>の場合は2013年に売りと買いを1度ずつ行っているので、実際の手取り額は上記の金額からその手数料分が引かれた後の金額になります。

 投資額を一定にした上記の例のように、途中でコストを支払っている場合には必ずしもいったん売却が有利だとは言えなくなるのです。来年以降の相場状況、保有している株式の含み益、含み損などを考慮して判断する必要があります。

<つづく>
軽減税率終了を前にした個人投資家の益出し<その1>
 平成25年12月31日で証券税制の優遇策が打ち切られ、来年から本則の税率に戻ることに合わせて、個人投資家の利益確定売りとみられる動きが加速しているようです。配当や譲渡益にかかる税率が10%から20%(除:復興特別所得税)と税率が「倍」になるのですから、投資家にとっては衝撃的でしょう。

 大口の方は特に税率が低いうちに対策(売却)をしようと考えるのもなるほどと思えます。昨年の11月から年央にかけて一本調子で上げてきた相場もその後はこう着状態が続いており、来年以降の上げを懐疑的に見ている方は、利益確定の機会とみているのでしょう。ちなみに、個人投資家の11月第2週の売越し高は1兆1526億円、第3週の売越し高は5002億円、第4週の売越し高は3069億円となっています。結局、11月月間(5日~29日)の個人投資家の売越し額は2兆372億円と2兆円を超えてしまっています。
 この間の買い手となっているのが海外投資家で、その買越し高は2兆2993億円ですので、個人投資家が売りを海外投資家が請け負ったという形になりました。ただし、この間の日経平均は1000円ほど上昇しています。外国人投資家にとっては格好の買い場になったのかもしれません。
 売却した株式を改めて購入することによって、利益確定+購入価額の引上げができます。来年以降の値上がりについては、買値を引き上げていますので、譲渡益も小さくなり20%の税率でも対処できるということになります。

 以上はあくまでも表面的な話です。明日は、具体的な数字を使ってもう少し細かい検証をしてみましょう。

5.5兆円の経済対策
 先日の臨時閣議で5.5兆円の経済対策が正式に決定されました。消費税率引上げの影響を緩和することが目的だとのことです。なるほど、と一瞬納得してしまいそうです。あくまでも「一瞬」です。というのも、次の瞬間に消費税率を引き上げる目的を思い出したからです。「社会保障の安定財源の確保のため」でしたね。年3%前後のペースで増え続けている社会保障給付費に対応するための措置ということです。

 財務省のHPに、「副大臣がお答えします」というサイトがあり、その中の質問に「なぜ所得税や法人税ではなく、消費税の引上げを行うのでしょうか?」がありました。この質問に対する答えは「今後、少子高齢化により、現役世代が急なスピードで減っていく一方で、高齢者は増えていきます。社会保険料など、現役世代の負担が既に年々高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費
税が、高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます。」と、しっかり「社会保障の財源」が明記されています。所得税や法人税と異なり、景気の影響も少ないという消費税の特徴が、安定財源確保に向いているとも言えます。

 さて、社会保障給付費は2013年度の予算ベースで約110兆円ですから、年3%前後で増えているということは、今後、毎年3兆円以上増加することを意味しています。問題はこの「毎年」ということです。今年を基準にすれば、来年は今年より3兆円、再来年は今年より6兆円、その翌年は今年より9兆円・・・というようにまさしく「雪だるま」式に増えていくということです。
 このように増えていく社会保障給付費を何とかしようと決定された消費税率の引上げ。ところが、その引上げによってやっと上向いてきた景気の腰を折ってはいけないと経済対策、つまり、お金を投入することを決めたわけです。お金のやりくりが大変だから税金を上げようとしているのに、その税金を上げるとによって景気が悪くなるかもしれないから、対策としてお金を投入しよう、と言っているわけです。

11月のアメリカの雇用統計
 12月6日に発表になった11月の雇用統計は、失業率は7.0%(事前予想 7.2%)、非農業部門の雇用者数も20万3000人の増加(事前予想 18万人の増加)となり、共に事前予想を上回る内容でした。失業率の7.0%は5年ぶりのこと。10月の非農業部門の雇用者数は20万4000人の増加から20万人の増加へ下方修正されましたが、過去1年間の平均が19万5000人となり、平均値でもFRBの目標としている20万人をほぼ達成していることになりました。

 2008年1月~2009年12月までの非農業部門の雇用者数は約850万人の減少でした。リーマンショックの影響で多くの職が失われたのです。2010年に入り非農業部門の雇用者数は増加に転じ、2010年1月から2013年11月までの非農業部門の雇用者数の純増加数(増加数-減少数)は約717万人です。リーマンショック前後で失われた就業数まであと約133万人となっています。過去1年間の平均値で今後も推移すると仮定した場合、あと7か月ほど、つまり来年の中ごろにリーマンショック前の水準に戻るということになります。
一方、失業率は、2008年以前の5%前後の水準への戻るのにはもう少し時間がかかるでしょう。

 先週のNY株式市場ですが、月曜日から木曜日までの4日間は雇用統計を意識した神経質な動きになっていました。雇用統計の内容が良かった場合には、量的緩和縮小策の時期に関する議論が浮上してくることを懸念しているため、4日間は続落となりました。
 発表された非農業部門の雇用者数は予想上回る20万人でした。この数値は、量的緩和縮小へ傾くとする水準ですから、発表後の株式市場は「売り」になる、というのが事前の予想かと思いわれますが、実際は買いが優勢となり、前日比+198.69ドルの16020.20と16000ドル台回復で終了しました。
この反応には同日に発表された10月の米個人消費(6か月連続でプラス)の内容を好感していると思います。

 さて、年内最後のFOMCが17日~18日にかけて開かれます。確かに非農業部門の雇用者数は順調に増加していますし、失業率も低下しています。雇用状況は確実に改善していますが、金融政策の転換を図るにはまだ十分とは言えないでしょう。引き続き経済情勢を分析し回復状況を注視していきたいというのが正直な気持ちだと思います。景気の回復をより確実に測るためには、個人消費、その原動力となる住宅価格の回復も必要かと思います。



プロフィール

ロックンロールFP&税理士  本間慶喜

Author:ロックンロールFP&税理士  本間慶喜
大学卒業後、バンド活動をしつつ印刷会社勤務。イギリス留学を経て、外為の世界へ。
東京~ロンドン~シンガポールの外国為替市場で通貨オプションの取引に従事。
CFP・宅建取得,そして税理士へ。
住宅ローンアドバイザー。

趣味:ドラム、落語、刺繍、ウォーキング、読書、最近囲碁も始めました。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR